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いい加減企業の人事は履歴書じゃなく成績表を見ろ

こんにちは。今回は大学教育のあり方について、個人的な意見を述べていきたいと思います。

「理想の大学教育」というと大層な話に聞こえてしまうかもしれませんが、大学職員を目指しているのであれば、大学が何を目指すべきなのか、どういう場所であるべきなのか、自分の考えは持っておく必要があると思います。エントリーシートや面接で問われる場面も出てくるでしょうし、入社後も考え続けなければならないテーマの1つです。

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それではいきましょう。

 

 

 

 

大学教育のあり方を考えるにあたって、改めて大学の役割について考えていきたいと思います。

より良い社会を実現するために大学が世の中から求められていることは、「社会で活躍する人材を輩出すること」だと考えます。大学は就職予備校や職業訓練校ではない!会社で必要な能力は研修で学ばせろ!といった議論もありますが、学生の大多数が卒業後に就職し働くことを考えれば、やはり社会に出る前の最後の高等教育機関として、働くために必要な能力を伸ばすことが、社会から期待されている役割といっていいでしょう。

 

  • 活躍するために必要な能力とは?

大学の役割が「社会で活躍する人材を輩出すること」だとして、そのような人材に必要な能力は何でしょうか。

企業が新卒社員に求める能力としては、近年ではコミュニケーション能力や主体性が1番に挙げられることが多いです。それについては私も同意です。いくら勉強が出来ても自分で考えない、空気が読めない、伝え方が下手だと何にもなりません。ですが、コミュニケーション能力や主体性だけではこれから先難しいと考えます。日本は生産性が悪い、イノベーションが生まれないといわれて久しいですが、企業がコミュニケーション能力や主体性を第一にしているようではそれも当然だと思います。どんな分野でもイノベーションを起こすには専門性が欠かせません。コミュニケーション能力や主体性といった能力はもちろんのこと、大学生活を通じて何らかの分野の専門性を身に着けることが、これからの社会で活躍するためには必要ではないでしょうか。

 

・大学教育の現状

大学生活を通じて専門性を身に着けるなんて、当たり前のことじゃないかという声が聞こえてきそうですが、日本の大学生の現状を見ると、学問への取組みという観点ではひどいありさまです。入学試験を突破し大学生になれたことで満足し、サークル活動やアルバイトに励み、単位取得が簡単な科目をこぞって履修し、試験前になると過去問やレジュメが出回る。何を隠そう、私自身がそんな大学生活を送っていました。

就職活動においても”ガクチカ”(学生時代に力を入れていたこと)と称してサークル活動やアルバイトでの経験を語り、内定にいたるわけです。これでは学生からしても学業に励もうとはなかなか思えないでしょう。そして、授業などほぼ出たことが無いようなサークル代表や体育会出身者が企業で重宝され出世していく。社会人になれば忙しく、勉強する時間はなかなか取れない。

 

これではイノベーションが生まれないのも無理はありません。

 

  • これからの大学教育に向けて

4年間何をするか自分で決めることができる「自由気ままな大学生活」も、悪い点ばかりではないと思います。ある程度強制されてきた高校までとは違い自分で選択することで、主体性が身につくとも考えられます。しかし、現状では自由を活かして有意義な活動している学生は少なく、多くが自由を謳歌しているといってよいでしょう。

やはり社会で活躍できる人材になってもらうためには、ある程度強制力や危機感を持たせることが必要ではないでしょうか。

 

そのためには企業の皆様、”ガクチカ”や"コミュ力"重視の一斉採用はもう止めにしませんか。入社試験のエントリーには成績表を必須とし、GPAでのボーダーラインを設ける。マーケティングや法務、経理などのポストには、相応の専門性を持った学生を採用するために成績表を判断材料とする。これだけでかなり違ってくると思います。

 

一方で大学側では評価を全て相対評価とし、一定数は単位取得不可とするなど、学生の競争を促す施策の検討が必要と考えます。

 

社会で活躍できる人材の輩出以前の問題で、とにかく日本の大学は単位取得が容易すぎます。国際競争力を保つためにも、大学生に勉強させ、専門性を身につけた状態で社会に送り出すことが必要です。

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いかがでしょうか?自分がその道を通ってきたからこそ、今感じることがすごくあります。たとえ大学生活がバラ色でも、その先の未来が暗くては意味が無いですから。